【レポート】第42回 あさってのファッションとウェブの勉強会

9月19日に開催した、「あさってのファッションとウェアの勉強会」のレポートです。
9月は特別編として、東京都墨田区両国の『「革工房」と「ものづくり体験」のお店 革倶楽(かわくら)』で開催しました。

東京は全国でも有数の皮革事業の産地ですが、とくに台東区や墨田区を含む城東地域が、東京の中でも大部分を占めているそうです。(※出展:東京都産業労働局「東京の産業と雇用就業2017」) また、ものづくりのまちとして知られている墨田区は、豚革の国内シェア約90%を担う一大産地でもあるのだそうです。
東京のものづくり、地場産業について、理解を深める勉強会を企画しました。

はじめに、革倶楽を運営する、株式会社グレイスジャパンの高橋康樹社長から、自社の事業のお取り組みや、皮革産業の現状のお話を伺いました。東京都墨田区両国で2008年3月に創業された、株式会社グレイスジャパンは鞄や財布、革小物のOEM生産を手がけていらっしゃいます。縫製作業はもとより、革の裁断作業も自社でおこなっていらして、勉強会では店舗に併設された工房も見学させていただき、クリッカーと呼ばれる革を型でくり抜く機械や、縫製を見せていただくなどしました。

革倶楽では、今年7月から革を使ったものづくり体験をスタートしたそうで、小学生のお子さんから大人まで気軽に楽しめるワークショップのメニューが揃っています。夏休みには自由研究のために親子連れで訪れる方が多かったそうです。
今回は勉強会のなかで、レザーストラップ作りにチャレンジしました。

レザーストラップを作る革のパーツは、製品で使った革の端材を利用しているものです。革の種類も様々で、墨田区が国内での大きなシェアを占める豚革をはじめ、牛、ワニ、ヘビ、サメ、ダチョウなどが素材がありました。動物のかたちが残る原皮も見せてくださって、それと見比べて革の手触りを確かめながらストラップを作りました。

勉強会にご参加の方から、「革製品は、動物愛護の観点からは問題ないのでしょうか?」といった質問がありました。革は食用とされた動物の副産物で、そのために捕獲されてはいないとのご説明がありました。

ご参加の方からは、ものづくりの現場を訪れて、事業に携わる方から直にお話しを聞き、見学をして、またご自分の手を動かしてものづくりを体験することで、東京の地場産業、革業界についてに理解が深まり、さらに興味が湧きましたといったお声がありました。