【レポート】伝統工芸品「からくり箱」の産地へ

先日、「モノともの」 Pop-up Store @Paddlers Coffeeで作品を販売させていただいた、からくり職人の岩原宏志さんをたずねて小田原へ行ってきました。小田原は私の地元でもあります。

■ 「からくり箱」とは?

古くから、小田原・箱根地域ではさまざまな木製品が作られてきました。日本の伝統工芸品として寄木細工は有名なのでご存知の方も多いかと思います。「組み木」や「秘密箱」など仕掛けが施されたものもたくさんあります。
「秘密箱」は「からくり箱」のベースで、伝統的で四角い形の表面をスライドさせて開ける仕掛けが施された箱です。着色はほとんどせずに木の持ち味をいかした作品が多いです。
外形や仕掛けの種類にかかわらず、小田原・箱根地域に伝わる伝統技術や歴史的財産を基礎にして趣向をこらした仕掛けを仕込んで、開け方を楽しめるようにした作品が幅広く「からくり箱」と呼ばれています。
岩原さんは「からくり箱」を創作する職人集団、「からくり創作研究会」に所属しています。

モノともの_からくり創作研究会
「モノともの」 Pop-up Store @Paddlers Coffeeで展示販売した「からくり箱」

■ 「関所からくり美術館」のご紹介

はじめに岩原さんの小田原の工房をたずね、そして「からくり創作研究会」の作品を販売している箱根のお店と「関所からくり美術館」を案内してもらいました。
復元された「箱根関所」のすぐ近くにあって、からくりの歴史紹介や古くからの作品や現代の「からくり創作研究会」の作品が数多く展示されています。

箱根関所からくり美術館

触って遊べる「遊びコーナー」、実物大のからくり家具の部屋、からくり秘密箱のつくり方が体験できるコーナーもあります。

箱根関所からくり美術館
家具のひとつひとつに仕掛けが施されています。こんな部屋があったら楽しそう!

「関所からくり美術館」の向かいには館長の丸山皓史さんのお店、「箱根丸山物産」さんがあります。この日は丸山さん自ら、タイからの留学生を前に実演をしていらっしゃいました。

からくり箱

小田原・箱根地域の「からくり箱」は日本国内だけでなく世界中に熱烈なファンの方がいらっしゃるそうです。私が小田原へ行った前日にはイギリスからお二人、岩原さんを訪ねていらして、宅配便で送るほどまとめて購入されたのだとか。

どうにかしないと開かない箱。どこが蓋でどこをどうやったら開くのか、一見しただけではわからない箱。1点1点、職人の手でつくられた木のぬくもりを感じるユーモアあふれる作品の数々。その魅力をみなさんにご紹介したいと思って「モノともの」でもピックアップしました。今回、製作の現場も拝見してあらためて魅力を感じました。

■ 番外編 「箱根関所」のご紹介

「関所からくり美術館」のすぐ近くに復元された「箱根関所」は観光名所となっていました。2007年春から全面公開された「箱根関所」が現在の場所に置かれたのは江戸時代の初期といわれているそうです。「遠見番所」へ続く階段は60段ほどあって息があがりましたが、芦ノ湖が一望できる絶景ポイントでした!

箱根関所