【レポート】『Fashion Biz Study 003 ファッションビジネスのための法律講座 2』 セッション 2

2週にわたって開催した『Fashion Biz Study 003 ファッションビジネスのための法律講座 2』は、昨晩のセッション2で終了しました。
受講してくださったみなさま、ありがとうございました。

セッション1をご受講いただけなかった方もいらっしゃったので、冒頭にで永井幸輔弁護士から商標とは?商標権とは?といった前回のおさらいがありました。
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日本の有名デザイナーズブランドの商標登録事例をいくつかあげて、ファッションブランドがどういった分類(区分)の商標登録をしているのか見ていきました。
分類(区分)とは商標の権利範囲を特定するものです。
商標権は登録がなされて発生する権利ですが、出願の際に全部で45類あるうちの、どの分類(区分)に属する、商品または役務(サービスと理解します)について商標権を取得したいのか、指定して申請します。

ファッションブランドが取得する主な分類としては下記があげられました。
14類 アクセサリー,貴金属,宝飾品,時計 他
18類 かばん類,財布,革及びその模造品 他
24類 織物,家庭用の織物製カバー 他
25類 被服,服飾小物,履物 他

セッション2は商標登録のワークショップということで、それぞれが登録申請したい商標 -文字でもロゴでも- を書き出し、その商標を使ってどうしたいのか、何を売りたいのか、どんなサービスを提供したいのかを書き出して、みんなでシェアしてはじめました。

商標が決まったらまず、IPDL(特許電子図書館)のサイトで商標調査をします。商標調査の目的はふたつです。
1 その商標を使用するための調査
商標登録をする考えがなくても、その商標が図らずも商標権侵害となる場合があるので商品の販売やサービスの提供を始める前に調査して商標を決めたほうが良い。
2 その商標を登録するための調査
商標登録ができるかどうかを調査する。
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「商標検索」のページに入ると11個の検索方法があります。
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はじめに「7 商品役務名検索」で、その商標で展開したい具体的な商品やサービス、または商号(会社の名前)であれば事業内容を「商品・役務名」の欄に入力、検索して、それが商標法上でどの分類(区分)とどの類似群コードに該当するのかを調べます。
*類似群コードについては、特許庁ホームページのこちらをご参照ください。
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次に「3 商標出願・登録状況検索」で登録申請したい商標を上段の「検索キーワード」欄に入力して、中段の左側の欄で「類似群コード」を選択し、「検索キーワード」欄に「7 商品役務名検索」で調べた類似群コードを入れて該当するものがないか調べます。
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「4 称呼検索」で読み方(称呼)による検索でも調べます。
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これらに該当するものがなく、また出願しても登録にならない商標にも該当しない場合は商標権を取得できる可能性が高いのですが、新しく商標登録された商標がデータベースに反映されるまでに2ヶ月程度かかると言われるので注意が必要です。
*出願しても登録にならない商標については特許庁ホームページのこちらをご参照ください。
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ワークショップでは、永井弁護士にアドバイスを受けながらみなさん真剣に商標調査をしていました。

商標登録出願すると、出願は公開され、特許庁による審査が行われます。
登録査定となれば登録料を納付して設定登録となります。
しかし拒絶理由通知が届いた場合は意見書などを提出したり、申請の内容を変更するなどして再提出します。場合によっては拒絶査定不服審判や訴訟といった段階へ進むこともあります。
特許庁のホームページに商標登録出願方法は掲載されていますので個人で作成して提出することも可能ですが、上記のようなケースは専門家へ相談したほうが良さそうです。

最後に国際登録についてもご説明いただいて、講座終了となりました。

商標登録には費用も時間もかかりますが、今回の講座を通じて改めてビジネスの展開を見据えて検討していくべき大切なことのひとつだと感じました。