【映画レビュー】ディオールと私

diorandi

昨日、映画「ディオールと私(Dior & I)」を観てきました。  ラフシモンズがディオールのアーティスティックディレクターに就任してからオートクチュールコレクションまで8週間。
おそろしいくらいのタイトスケジュールで、しかも彼はこれがオートクチュール初挑戦。
限られた時間の中でアトリエのお針子さんたちをはじめ、すべてのスタッフとの関係やコミュニケーションを築きながら制作を進行していくという試練や苦悩。

予定どおりに上がってこないサンプル。
コレクションの仕事と顧客からの依頼との板挟みになるスタッフ。
ショーのギリギリまで繰り返される修正。
ファーストコレクションの重圧に不安な表情を隠さないラフシモンズ。緊張感。恐怖感。
この映画はほとんど脚色せずに、オートクチュールの舞台裏を見せてくれたように思いました。

ラストはショーの映像。
花で埋め尽くされた夢のような会場へ、ひとりひとりモデルを送り出していく姿。
美しいドレスの数々。
高揚感でゾクゾクしてそして涙が出てしまいました。 

華やかなのは、ほんの一瞬に過ぎないファッションの世界だけれど、苦悩の末にこんな気持ちを経験してしまったら、虜になってしまうのだろうと思います。