【展覧会】活動のデザイン展

東京ミッドタウン 21_21 DESIGN SIGHTで2015年2月1日(日)まで開催の展覧会、「活動のデザイン展」
私が行ったのは昨年12月下旬ですが遅ればせながらレポートを。
展覧会概要に「こうした時代に大切なのは、それぞれに考え、動き、確かに伝えることではないかとの問いをもとに、本展は企画されました。」とあり、うなずきました。

24組のプロジェクトの中で一番、こころ惹かれたのが、「ロースさんのセーター」という作品です。

アノニマスな行為をたたえ、記録する活動
DNAシャロアー&クリスティン・メンデルツマ/ヴァンスファッペン 「ロースさんのセーター」
2012年

SwetersbyLose1


SwetersbyLose2

オランダ ロッテルダム、シャロアー地区に暮らすロースさんは人知れず、誰も袖を通すこともなく、60年間で500着以上ものセーターを編んでいたそうです。ロースさんが気の向くままに編み続けてきたという自由でカラフルでグラフィカルなセーター。
これらのセーターを発見したのがミュージアム・ロッテルダム。
そして地元のデザインプロジェクトであるDNAシャロアーとデザイナーのクリスティン・メンデルツマの呼びかけで集まった多くの人々がロースさんのセーターを着て、ロースさんの目の前で踊ったフラッシュモブの映像が紹介されていました。

そして、この人の背丈よりも大きく、インパクトのあるこの物体。地雷を爆破させるためのボールだそうです。
地雷撤去という深刻な問題を再認識させた、人道的なデザインプロジェクト。

デザインの意義を人道的な解決策に応用する活動
マスード・ハッサーニ 「マイン・カフォン」
2011年-

MineKafon

「マイン・カフォン(地雷を爆破させろ)」と名付けられたこの大きなボール。風に吹かれてコロコロと転がり、地雷を爆破していきます。
1983年にアフガニスタンで生まれ、対人地雷が埋没する地区で育ち、15歳でオランダに移住したマスード・ハッサーニ。デザインアカデミーで自身の幼少期の記憶を遡り、この地雷撤去ボールの原型にたどり着いたと言います。
会場では関連ビデオが放映されていましたが、現段階では「マイン・カフォン」が、転がっていった先に埋まっているすべての地雷を爆破できるという確実性は認められないけれど、そこに地雷原があることを示すことができると高く評価されていました。
驚くべきことに、地雷撤去の技術は1960年代から技術的に進化していないのだそうです。

Title:THE FAB MIND: Hints of the Future in a Shifting World
Place:21_21 DESIGN SIGHT
Date:October 24, 2014 – February 1, 2015